私にとって、最も大切なものは、やはり家族だ。品物はまた買い換えることができるし、恋人に振られたとしても構わない。

もっと良い人に出会いかもしれないのだから。しかし、家族は唯一だ。P1020729  

 

  妻子を養うために、父はずっと一生懸命に仕事をしている。娘の私と一緒にいる時間がなかなかない。そのためか、たとえ悩みや嬉しいことがあっても、

父に話すことはなかった。残ってる記憶の中で、二人だけで一緒に映画を見たのは10歳の時のこと。手をつないだのは13歳のときのこと。父の手は乾燥していて堅かった。

 

  留学しようと思ったとき、電話はおろか、直接話すことなどもできなかった。しかし父の許可を取らなければ、それまでだ。そんなある日、勇気を出して、家族会議の場を持った。

予想通り反対された。いくら説得しても駄目だった。皮肉なことに、そのとき父との会話がそれまでで最も長かった。

 

  どうしても理解してほうしくて、その後日、心をこめ、真剣にメールを送った。最後に「うん」と言ってくれた。

 

  出発の日、家族と一緒に車で空港へ向かった。久しぶりに一緒に朝食をしながら、複雑な気持ちだった。そして別れの時間がきて、私は父のほうに向き、その肩を抱いてあげた。

涙があふれてとめられなかった。そのとき人生で初めて父の涙を見た。父の「なよなら」と言う声も震えていた。

 

  あの時のことを思い出すたびに、家族のことが恋しくてたまらなくなる。私にとって、父の涙はパワーの源だ。

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不思議な東京日記

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